
パニックを、正直に
パニック発作のとき、息は止めるべきか。
いま、発作の波のなかでこれを探しているなら、もう読むのをやめて、ただゆっくり息を吐いて大丈夫です。短い答えはすぐ下に、そのあとに、正直な理由をお話しします。
いいえ。
ピークのあいだは、止めないでください。息を止めること、そして箱呼吸や 4-7-8 呼吸の中にある「息を止める時間」は、いちばんこわい部分、つまり「空気が足りない」というあの感覚を、かえって強くしてしまうことがあります。何かを無理に頑張る必要はありません。ただ、吐く息を長くのばすだけで大丈夫です。
かわりに、ひと呼吸
息を止めない、ひと呼吸。
タップして、ゆっくり息を吐いてみましょう。ダウンロードは何もいりません。息を止めてとお願いすることも、一度もありません。
少しでもつらくなったら、やめてください。そして、どんな形でもいいので、息をしてください。いま危険を感じている、または自分を傷つけたい気持ちがあるなら、お住まいの地域の緊急番号や、相談窓口にご連絡ください。Tonari は、治すものではなく、そばに寄り添うもの。
息を止めると、いちばんこわい部分が強くなるわけ
パニック発作の恐怖は、しばしば、たったひとつの感覚として現れます。「空気が足りない」という感覚です。これは「空気飢餓感(エア・ハンガー)」と呼ばれるもので、ここに、正直な意外さがあります。その感覚を主に引き起こしているのは、血液中で増えていく二酸化炭素であって、酸素の不足ではありません。酸素は、ほとんどの場合、じゅうぶんに足りています。からだが、誤作動の警報を読み取っているだけなのです。
息を止めると、二酸化炭素は増えていきます。それはまさに、からだが「窒息」だと読みちがえている、あの信号そのものです。ですから、息を止めることは、あなたが静めようとしている、まさにその感覚に、燃料を注いでしまうことがあります。これは、根拠のない言い伝えではありません。研究者は実験室で、わざと、息止めや、ごく少量の二酸化炭素を使って、パニックを起こしやすい人に、パニックの症状を引き起こします。それは、よく知られた引き金であって、治療ではないのです。
だからこそ、よく知られたこれらの「息を止める呼吸」は、まちがった瞬間の、まちがった道具になります。箱呼吸は、4つの拍のうち2つで、息を止めます。4-7-8 呼吸の「7」は、7つ数えるあいだの息止めです。どちらも、落ち着いたからだには、問題ありません。けれど発作のさなか、空気飢餓感がすでに高まっているときには、それをさらに傾けかねない、ただひとつのことを求めてしまうのです。
長く吐く息は、その逆をしてくれます。吸うときより少し長く、ゆっくり息を吐くと、自律神経の落ち着くほうのはたらき(副交感神経)が、そっと後押しされます。心拍は、吐く息にあわせて、やわらぎやすくなります。無理も、息止めも、ふるえながらではとても数えきれない数え方も、いりません。やわらかく吸って、長く吐いて、もう一度。
ただし、正直なところ
息を止めることは、悪いことではありません。ふだんの、落ち着いているときの不安になら、やさしい箱呼吸や、ゆるやかな 4-7-8 呼吸は、本当に助けになります。それに息止めは、こわいと感じる感覚に少しずつ慣れていくために、一部の治療の中で、わざと使われることさえあります。大切なのは、すべてタイミングなのです。息を止める呼吸は、落ち着いているときに練習するには、良い道具です。でも、波がすでに高まっているとき、自分を助けるために手を伸ばす道具としては、まちがっているのです。
だから、肝心なときには、シンプルに。その瞬間には、数える決まりごとは手放して、ただ吐く息を長くのばしてください。箱も、7 の数も、もし気に入っているなら、もっと穏やかな時間のためにとっておきましょう。
どちらでも、そばに
いま、どんな気持ちでも。
質問
みなさんが、よく聞くこと。
箱呼吸は、パニック発作に良くないのですか。
箱呼吸は、落ち着いているときには良い道具ですが、4つの拍のうち2つで息を止めるので、パニック発作のさなかには、まちがった道具になります。急なパニックには、息を止めず、長く吐く呼吸のほうが、ずっとやさしいのです。箱呼吸は、ふだんのストレスのためにとっておきましょう。
どうして、息を止めるとパニックがひどくなるのですか。
「空気が足りない」というあのこわい感覚は、酸素の不足ではなく、増えていく二酸化炭素から来ています。息を止めると二酸化炭素が増え、それはまさに、からだが「窒息」だと読み取る信号そのものです。研究者は実験室で、わざと息止めや二酸化炭素を使って、パニックの症状を引き起こすことさえあります。
パニック発作のあいだは、どんな呼吸がいちばんいいのですか。
吸うときより吐くときを長くする、やさしい呼吸で、息は止めません。鼻からそっと吸って、すぼめた口から、ゆっくり吐いて、もう一度。そのパターンは、発作のさなかには難しい「呼吸のコントロール」を求めることなく、自律神経の落ち着くほうのはたらきを、そっと後押ししてくれます。
不安のために、息を止めてもいいときは、あるのですか。
あります。ふだんの、落ち着いているときの不安になら、箱呼吸や 4-7-8 のようなやさしい息止めは問題なく、助けにもなりますし、一部の治療の中でも、わざと使われます。ちがいは、タイミングです。空気飢餓感がすでに高まっている発作のさなかに、自分を助けるために使うものでは、ないのです。
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根拠について、ひとこと。パニックのときに感じる空気飢餓感は、二酸化炭素によって引き起こされると考えられていて、二酸化炭素をともなう息止めは、パニックの症状を引き起こすために、研究で使われています。私たちが「息を止めない」を、より安全な初期設定として扱うのは、このためです。これは医療上の助言ではありません。もし症状がはじめてだったり、不安なときは、医師にご相談ください。