tonari

思いあたる方へ

呼吸法で、かえって不安が強くなるとき。

呼吸に意識を向けると、落ち着くどころか、かえって息が苦しくなる。そんなときも、やり方をまちがえているのでも、あなたがどこかおかしいのでもありません。

こんなこと、ありませんか。

ひとつでも思いあたるなら、このページは、あなたのためのものです。

  • 「深呼吸して」と言われて、かえって苦しくなった。
  • 呼吸に気づいたとたん、自然に息ができなくなって、一回ごとに考えてしまう。
  • 大きく深く吸うと、頭がふらついたり、それでも空気が足りない気がする。
  • 呼吸を数えると、胸がもっと締めつけられて、動悸がしてくる。
  • 落ち着くはずのことなのに、それさえ、うまくできない気がする。

これはよくあることで、やり方をまちがえているしるしではありません。もし動悸が初めてで、こわいと感じたり、胸の痛みや息苦しさをともなうときは、まずお医者さんに診てもらってください。パニックが心臓発作を起こすことはありませんが、初めてのからだの症状は、一度きちんと診てもらう価値があります。

かわりに、試したいこと

息を止めない、ひと呼吸。

少しでも悪くなるように感じたら、やめてください。いま危険が迫っていると感じるときや、自分を傷つけたい気持ちがあるときは、お住まいの地域の緊急番号か、その国の相談窓口にご連絡ください。Tonari は、治すものではなく、そばに寄り添うものです。

これ、あなたのことかもしれません。

「とにかく深呼吸して」と、何度も言われてきたはずです。だから、やってみる。大きく息を吸いこむ。でも訪れるのは落ち着きではなく、ふっとしためまいや、締めつけられる胸、あるいは、それでも空気が足りないという、あのいやな感じです。そして、パニックになりかけていること自体に、またパニックになる。

もしそうだとしても、あなたに悪いところがあるわけではありません。不安をかかえる多くの人にとって、いつも教わるやり方の呼吸は、よくなるどころか、かえって苦しくなります。そこには、はっきりとした理由があり、もっとやさしい入り口があります。

いま起きていること(やさしく言うと)。

不安なとき、人は気づかないうちに息を吸いすぎています。軽い過呼吸のような状態です。速く、胸の上のほうで、少し多すぎるくらいに。そこへ「深呼吸して」と言われ、大きく吸いこむと、ただでさえ多い息に、さらに空気を重ねてしまいます。からだが必要とする以上に二酸化炭素を吐き出してしまい、それが、あのめまいや、手足のしびれ、そして、いくら吸っても足りないという、じれったい息苦しさを生みます。

だから深呼吸は、からだを落ち着かせているのではありません。むしろ、高ぶらせていることが多いのです。足りなかったのは、たいてい空気ではありません。不安なときの呼吸は、多くの場合、多すぎて、速すぎる。そこへもう一度大きく吸っても、それは変わりません。

抜け出しにくい、悪循環。

ここに、落とし穴があります。深呼吸で、かえって妙な感じになる。だから、自分の呼吸をもっとじっと見張ってしまう。見張ったとたん、息は自然なものではなくなり、失敗するかもしれない作業のように感じられます。一回ごとの呼吸に、判断がいるようになる。

その見張ること自体が、また不安になります。からだは、その緊張を「警戒を続ける理由」と受けとり、次の一息をさらに苦しくして、あなたはもっと見張ってしまう。悪循環を断つはずだった練習が、いつのまにか、その一部になっているのです。

その瞬間に、本当に効くこと。

やさしい手当ては、もっと吸おうとするのをやめて、かわりに、息をゆっくり吐くことです。落ち着かせてくれるのは、吐く息のほうです。吸うときより少し長く吐くと、自律神経の、休ませるほうのはたらき(副交感神経)がそっと動きだして、吐くあいだ、心拍はゆるやかになっていきます。

息は止めずに、こうしてみましょう。鼻から、そっと吸う。ふつうの、大きすぎない一息です。そして口から、ゆっくり吐く。吸うときより、少し長く、やわらかく。それだけです。パニックのときは、わざと息を止めません。息を止めると、空気が足りないというあの感じが、かえって強くなることがあるからです。

それに、呼吸を直そうとしなくても、かまいません。見張ることが、かえってつらくしているなら、意識をまるごと別のところへ移してみましょう。見えるものを五つ、名前をつけて数える。足の裏を、床にぐっと押しつける。冷たい水に、手をくぐらせる。ときには、呼吸にはかまわず、ひとりでに戻ってくるのを待つことが、いちばんやさしい選び方です。

ひとつ、正直なこと。

ゆっくり、吐く息にみちびかれる呼吸には、確かな、けれども控えめな根拠があります。高ぶり、つまり、張りつめて、心拍が速く、息を吸いすぎている状態をやわらげる方法として、よく知られています。それは、そんなときにそばに寄り添うものであって、治すものではありません。ずっと続く不安そのものを治す治療でもありません。

それに、この呼吸が効くのは高ぶっている側であって、しぼんで動けなくなっている側ではありません。心拍が速いというより、感覚が鈍く、頭にもやがかかり、どこか遠く、力が抜けてしまうように感じるときは、呼吸を追いかけても、たいていは助けにならず、かえって、いっそう切り離されたように感じることがあります。そんなときは、まず五感でグラウンディングを。触れられるもの、見えるもの、聞こえるものを、呼吸よりも先に。

呼吸でできることと、その先の助け。

やさしいひと呼吸は、つらい瞬間の角を、そっと落としてくれます。けれど、ずっと続く不安の重さを、それだけで背負うことはできません。もともと、そういうものではないのです。もし不安が、あなたの毎日や、眠りや、小さくなっていく暮らしをかたちづくっているなら、それは、お医者さんやカウンセラーに話してみる価値があります。それは失敗ではなく、その仕事にちょうど合った道具を選ぶ、ということです。

Tonari は、その瞬間にそばに寄り添うために作られています。息を止めない呼吸と、グラウンディングを、ワンタップで。それは、そばに寄り添うものであって、本当のケアの代わりではありません。ひと呼吸よりも多くのものが必要なときには、よろこんで、助けのほうへとご案内します。

そばに寄り添って

次はどこへ。

よくある質問

みなさんが、よく聞くこと。

深呼吸すると、なぜ不安が強くなるのですか。

不安なときは、たいてい、息が足りないのではなく、すでに吸いすぎているからです。そこへ大きく深呼吸を重ねると、からだが必要とする以上に二酸化炭素を吐き出してしまい、めまいや、手足のしびれ、そして、いくら吸っても足りない感じが生まれます。効くのは、もっと大きく吸うことではなく、ゆっくり、長く吐くことです。

呼吸法は、もうやめたほうがいいですか。

かならずしも、そうではありません。ただ、無理に大きく吸うことや、きっちり数えることは、手放してかまいません。息を止めずに、吐く息をゆっくり、やわらかく。そして、面倒に感じたら、その時点でやめてみましょう。もし呼吸に意識を向けると決まってつらくなるなら、呼吸にはかまわず、かわりに五感でグラウンディングしても、まったくかまいません。

呼吸のことを考えると、息ができない気がするのは、ふつうのことですか。

はい、とてもよくあることです。じっと意識を向けたとたん、息は自然なものではなくなり、自分で管理しなければならないもののように感じられます。心地よくはありませんが、危険なことではありません。たいていは、意識がほかへ移れば、やわらいでいきます。ただ、動悸や息苦しさが初めてで、こわいと感じるときは、からだに原因がないかを確かめるために、お医者さんに診てもらってください。

パニックのときは、かわりにどんな呼吸をすればいいですか。

息を止めない、吐く息にみちびかれる呼吸です。鼻からそっと吸って、口からゆっくり吐く。吸うときより、少しだけ長く。息は止めません。パニックのさなかに息を止めると、空気が足りない感じが、かえって強くなることがあるからです。ゆっくりと吐く一息だけでも、つらさの角は、少しやわらぎます。

呼吸を、まず選ばないほうがいいのは、どんなときですか。

張りつめて心拍が速いというより、感覚が鈍く、頭にもやがかかり、どこか遠く、動けなくなっているときです。呼吸が助けになるのは高ぶっている状態で、あの、しぼんで切り離されたような状態ではありません。そこで呼吸を追いかけると、かえって、いっそう切り離されたように感じることがあります。まず、五感でグラウンディングを。何か硬いものに触れ、まわりを見わたして、見えるものに名前をつける。呼吸は、それが助けになりそうなときにだけ。

ポケットに、ひと呼吸を。

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